航空法は、パイロットを目指すうえで避けて通れない法律です。

ただ、最初から条文を追いかけようとすると、まぁきつい。
まずは全体像を頭に入れておくと、その後の勉強がぐっとラクになります。

この記事では、法律アレルギーのあなたでも「意外といけるかも」と思ってもらえるよう、航空法の全体像を整理していきます。

まず目的から

航空法は、正式名称もそのまま「航空法」という法律です。

航空法に限らず、法律は最初に目的が書かれています。
航空法の目的はもちろん航空機の安全運航ですが、それ以外にも航空機の外、つまり地上の人やモノの安全の確保も含まれています。
また近年は改正によって、CO2削減ドローンに関する内容も目的に盛り込まれました。(また勉強しなおさないと...)

パイロットのライセンス制度も、飛行禁止空域も、飛行場の使い方も、すべてこの法律が根拠になっています。

航空法の目的とカバー範囲

法体系

国際ルールと国内法

航空法の目的は航空の安全。というのは前章で触れました。
では、その安全はどうやって達成されるのでしょうか。答えはシンプルで、みんながルールを守ることです。

ただ、空には日本の航空機だけではなく、世界中の航空機が国境をまたいで飛んでいます。
となると、パイロットはすべての国の航空法を把握しないといけないのでしょうか?

それがベストです。ただ、人間の脳には限界があります笑

そこで登場するのがシカゴ条約(国際民間航空条約)です。
1944年に締結されたこの条約に各国が準拠することで、どの国の航空法も大まかな骨格は同じになっています。
細かい部分に差異はあるものの、基本的なルールは共通しているので、その差異だけを把握すれば安全に飛べる。パイロットにとってもコストが低く、より安全につながるわけです。


法令の階層構造

このシカゴ条約を頂点として、日本の航空法はその下に位置しています。さらにその下には、より細かいルールを定めた法令が続きます。

シカゴ条約を頂点としたピラミッド

図の各レイヤーをざっと説明しておきます。

  • 航空法
    骨格となる法律で、「していいこと・だめなこと」の大枠を定めています。

  • 航空法施行令
    政令と呼ばれるもので、航空法が委任した内容をさらに具体化したものです。
    (勉強しても直接目にする機会は少ないと思います。)

  • 航空法施行規則
    省令と呼ばれます。
    実際の数字や手順が細かく書かれています。「身体検査証明の有効期限は〇年」といった具体的な基準はここに出てきます。
    試験勉強で追いかけることになる数字の多くは、このレイヤーに書かれています。

💡

航空法 32条
航空身体検査証明の有効期間は~国土交通省令で定める期間とする

航空法施行規則(省令) 61条の3
→ 具体的な年数が書かれる

法令から省令への流れ

  • 告示・通達・サーキュラー等
    細かい運用上のルールが書かれます。
    現場レベル(空港ごとなどのとても細かい内容)の手順や解釈の指針が示されています。

航空法の中身を覗いてみる

せっかくなので、航空法の中身も少し覗いてみましょう。航空法は全163条あります。
たくさんの条文がありますが、もちろん適当な順番で書かれているわけではなく、内容ごとにカテゴリ分けされています。
全部で13章あり、たとえば第4章(第22条~第36条)はライセンスに関すること、第6章(第57条~第99条)は飛行ルール全般、といった具合です。

勉強するときも「この条文は第6章だから運航系の話だな」と大枠を捉えながら読むと、頭に入りやすいし楽しく勉強できます。
(楽しめるかは法律アレルギーの度合いによりますが。)

内容
第1章 総則 目的・定義
第2章 航空機の登録 航空機の国籍・登録
第3章 航空機の安全性 耐空証明など
第4章 航空従事者 ライセンス・技能証明
第5章 航空路・空港等 空域・空港・保安施設
第6章 航空機の運航 飛行ルール全般
第7章 航空運送事業等 航空会社の事業規制
第8章~ 外国航空機・脱炭素・ドローン等

訓練生として特にかかわりが深いのは第4章(ライセンス)と第6章(飛行ルール)のあたりでしょうか。
特に第6章は今後、深く掘り下げていくことになるかと思います。

まとめ

航空法の全体像、なんとなくつかめたでしょうか。

勉強を進めていくと、条文の細かい数字や手順を覚えなければいけない場面も出てきます。
ただ、いきなり細かいところから入るより、まず「この法律は何のためにあるのか」「どんな構造になっているのか」という大枠を掴んでおく方が、その後の勉強がぐっとラクになります。

そして丸暗記よりも大切なのは「なぜそのルールがあるのか」を理解すること。
理由がわかっていれば、多少うろ覚えでも現場で応用できますし、そもそも忘れにくくなります。

このサイトでは、そういう視点で航空法を整理していきます。条文アレルギーのあなたも、ぜひ付き合ってください。